歯並び矯正を12歳までに終わらせる理由

「お子様が将来、なるべくおとなの矯正治療をしなくても済むような状態にしたい」
それが当院の目指す矯正治療の形です。

こどもの矯正治療では将来抜歯にならないようにアゴの成長を整えることに重点を置き、歯を実際に並べてきれいにするのはおとなの矯正治療で行うことが一般的です。
そのため、こどもの矯正治療とおとなの矯正治療はセットとして考えられています。

ですが、このこどもの矯正とおとなの矯正をセットで考える治療は当然長期間に及ぶため

むし歯のリスク
矯正治療によるストレス
費用面

これらの負担が大きくなってしまいます。

一方で、こどもの矯正治療はひとまずせずに、おとなの矯正からスタートするというのも一つの考えとしてあるかと思います。
この場合、お子さまが自分で歯並びを治したいという意思が固まった時に行えるという利点がありますが、欠点としては

歯を抜く治療が必要になる確率が高くなること
こどもの矯正単独よりも費用面が高くなること
進学や仕事で通院が難しくなる場合があること

などが挙げられます。

将来おとなの矯正治療を行わなくても済むように

私自身1児の父として子育て真っ最中なのですが、もし我が子を治療するのであれば、可能な限り短期間で負担の少ない治療を選択し、早期に合格点がつけられる良いかみ合わせにしたいと考えますし、当然来てくださる患者様にも同様の気持ちです。

ですので、できる限りお子さまの負担にならないようにできる限り早期に治療を終了できる方法はないか常に考え勉強してきました。
その結果、当院ではこどもの矯正治療におとなの矯正で行う歯を並べる治療を組み込むことで、将来おとなの矯正治療を行わなくても済むような状態にしたい、と考えています。

当院のこどもの矯正治療

一般的なこどもの矯正治療: 顎を広げる治療（床矯正）
当院のこどもの矯正治療: 顎の発育を促す治療（床矯正）

歯のスペースを広げて抜歯をしなくて済むようにする治療（上顎遠心移動装置）

最終的な歯並びと噛み合わせを仕上げる治療（マルチブラケット）

小児マウスピース型矯正装置

もちろん、医学的に可能不可能もございますし、お口の中は千差万別ですので全ての患者様に当てはまらないかもしれませんが、こどもの矯正治療が終わった時にこの時期にやって良かったと仰って頂けるような治療に取り組んでいます。

自身の矯正経験が「おとなの矯正治療をしなくても済む矯正治療」を目指すきっかけに

私は、もともと受け口だったため、幼少期～中学生までこどもの矯正治療とおとなの矯正治療をともに経験しました。
矯正治療を受けさせてくれた両親には今は感謝しているのですが、当時はどういう意味がある治療なのかあまりわからず、なぜこんなに長く通わないといけないのか、疑問を抱きながらの通院はとても大変だったことを覚えています。

親族に歯科関係者がいない私が歯科医師を志望したのも、自分の経験から「患者様に辛さを感じさせない歯科医師」を目指したいと思ったからです。

矯正治療を学ぶために、大学院へ進学

無事に歯科医師免許を取得した後に進路を決める際、歯科医院への就職も視野に入れましたが、矯正治療を専門として活躍するためには更に矯正の『認定医』を取得する必要があると感じ、就職はせずに大学院に進学しました。

大学院時代は大学病院で診療を行いながら矯正の知識を吸収しつつ日々研究も行い、かなり忙しさはあったものの大学病院でしか出会えない貴重な経験を沢山積ませていただきました。

産まれたすぐあとから手術などを受け矯正科が他科と連携しフォローするような症例
他院から紹介された難症例などを間近で見ることができた経験
矯正治療に関わる研究

など基礎から応用まで叩き込まれる充実した毎日でした。
その中でも、おとなの矯正治療の適応である中高生以降の患者様に対して「こどもの頃に矯正治療で介入できていたならば、少なからず今よりも負担も少なく良い状態にしてあげられた」と感じることも多々ありました。

こどもの矯正のみで治療完結を目指す恩師との出会い

私にとって大きな転機となったのは、「こどもの矯正のうちにおとなの矯正の要素を取り入れることで、こどもの矯正のみで治療完結を目指す治療」をされている恩師に出会えたことでした。
約6年間勤務医として働かせていただき、その中で今の私の考えに至りました。恩師の先生が指導してくださった時間は私にとって一生の財産ですし、感謝しています。
今度はその知識と技術を患者様に還元するステージにあると思っております。

矯正治療をお考えの親御様へのメッセージ

お子さんの歯並びを心配される気持ちは子を持つ親として共感できます。
歯並びは単に見た目だけの問題ではなく、お子さんの成長・発育の面でもすごく重要なものです。
そのような重要な時期の治療だからこそ、できることを精一杯行いたいと考えています。
矯正治療はお子さんにとって人生で一度きりの特別なプレゼントです。
そのような治療を任せていただける日が来ることをスタッフ一同願っております。